「大人が笑顔なら、子どもも笑顔」上田商工会議所女性会で伝えた、未来を拓く自己肯定感の育て方

はじめに:なぜ、今「自己肯定感」について話すのか

先日、上田商工会議所女性会の皆様の前で、お話させていただく機会をいただきました。講演のテーマは「自己肯定感」。

「なぜ、今このタイミングで自己肯定感なのか?」 もしかしたら、そう思われた方もいるかもしれません。

AIが私たちの生活や仕事を根本から変えようとしている時代。便利なツールが次々と登場し、情報があふれかえっています。 そんな中で、私たちが「自分は何者なのか」「どんな価値を社会に提供できるのか」という問いと向き合うことは、ますます重要になっています。

私の講演の根底にあるのは、「自分を満たすことができる人こそが、真の意味で周りにもエネルギーを与えていく」という哲学です。

私自身が大切にしているのは、「ワクワクする、楽しそう、笑顔」で自分がいられること。それが結果的に、周りの人々を笑顔にする美学だと信じています。今日は、その想いを皆さんと分かち合えた、貴重な時間についてお話したいと思います。

フィリピンでの経験が教えてくれた「本当の豊かさ」

私の自己肯定感に関する哲学は、過去に訪れたフィリピンでの経験が大きく影響しています。

フィリピンの人々は、日本に比べると物質的には決して豊かではありません。しかし、彼らの表情にはいつも屈託のない笑顔があり、その明るさとエネルギーにはっとさせられることが多くありました。

彼らは、ありのままの自分を受け入れ、今この瞬間を生きることに喜びを感じているように見えました。そこに流れているのは、きっと心の底から湧き上がる自己肯定感なのだと感じたのです。

一方、日本ではどうでしょうか? 私たちはたくさんのモノに囲まれ、経済的な豊かさを享受しています。しかし、その一方で「もっと頑張らなければ」「人より劣っている」と感じ、心の豊かさを見失っている人も少なくありません。

この対比は、私に「本当の豊かさとは何か」を深く考えさせるきっかけとなりました。それは、モノやお金だけではなく、自分自身をどれだけ肯定し、愛せるかにあるのだと気づいたのです。

母の教えと、歌が育んだ自己肯定感

もう一つ、私の自己肯定感の源になっているのが、母の教えです。母は、何事にも「ものづくりに対する妥協を許さない」という職人気質な教えを大切にしていました。

私は昔から歌うことが好きで、数々の歌のコンテストに出場してきました。 母の教えは、この「歌」という表現においても生かされました。 「人前で歌うなら、最高のパフォーマンスを見せる責任がある」。その言葉を胸に、毎日30分はカラオケに通い、同じ曲を何度も何度も練習しました。

その結果、多数の大会で優勝することができ、努力が報われる喜びを知りました。 この経験は、「努力と成果が自己肯定感を育む」ということを身をもって教えてくれました。

表面的な課題の奥にある「本質」を見抜く

私は現在、音楽の個人レッスンも行っています。そこでも、自己肯定感の重要性を強く感じています。

ある生徒さんは、「ステージで人にパワーを与えたい」と語っていました。素晴らしい目標ですが、レッスンを重ねるうちに、私は彼女の言葉の奥にある「本質的な課題」に気づきました。

それは、「自分自身が満たされていない」ということ。

自分の中に満たされていない空虚感があると、いくら「誰かを元気づけよう」と思っても、それは見せかけのパフォーマンスになってしまいます。 そこで私は、彼女にライフコーチングを導入し、歌の技術だけでなく、まず自分自身と向き合うことを促しました。

すると、彼女のパフォーマンスは劇的に変わりました。自分の内面と向き合い、自分を満たすことで、堂々とステージに立てるようになったのです。今では月に一度のライブ出演や、今後は路上ライブも計画するなど、生き生きと活動しています。 彼女の姿は、表面的な課題ではなく、本質的な課題を解決することこそが、真の自己成長につながるのだということを、私に改めて教えてくれました。

AI時代は「生きる力」を問う時代

AIが飛躍的に発展し、私たちの働き方や生き方は大きく変わろうとしています。 AIは、データ分析、文章作成、画像生成など、これまで人間がこなしていた多くのタスクを、驚異的なスピードと正確さで処理できるようになりました。

AIが発展すればするほど、私たちは「自分という人間は何者なのか?」という問いと、否応なく向き合わされることになります。

AIに取って代わられない、人間ならではの価値とは何か? それは、自分の内面と向き合い、自分自身の価値を言語化すること、つまりパーソナルブランディングだと私は考えています。

AIを「怖い」と避けるのではなく、「仲間」として迎え入れ、共存していくことが、個人にとっても企業にとっても「生存戦略」であることは間違いありません。 AIが私たちの能力を拡張してくれるからこそ、私たちはより深く「人間としての価値」を追求できるのです。

「大人が笑顔なら、子どもも笑顔」

私が高校教師を辞め、AIコンサルティングやコーチングを始めたきっかけも、この考えに基づいています。

高校が統合し、新しい学校をつくるための議論が行われていました。その時、私は違和感を覚えました。 大人たちが疲弊し、満たされていない状態から議論が進んでいるように感じたのです。

「満たされていない大人が、満たされた子どもたちの未来を創ることはできない」

私はそう感じました。 だからこそ、私は「大人が笑顔でいれば、子どもも笑顔で色んなことにチャレンジし、失敗し、学んでいく」という、幸せの循環を生み出したいと考え、今の仕事に取り組んでいます。

自分を「OK」にする、魔法の言葉

講演では、自分を認め、他者も認めるための『4つの承認』についてお話しました。

  1. 結果承認:結果が出たらOK
  2. 行動承認:やってみたらOK
  3. 意識承認:やろうとしただけでOK
  4. 存在承認:生きてるだけでOK

生まれたばかりの赤ちゃんに、「勉強しないとダメ」という人はいないですよね。「生まれてきてくれてありがとう」「生きていてくれてありがとう」。これでOKなのです。

私たちは、いつの間にか無意識のうちに自分へのハードルを上げてしまい、「自分はダメだ」という癖がついてしまいます。しかし、それは後天的に刷り込まれたもの。

「自分は生きているだけでOK」。この魔法の言葉を意識することから、自分自身を深く認められるようになります。そして、自分を認められるようになった時、人は心から人に優しくなれるのです。

音楽が響き、心が重なり合ったフィナーレ

講演の最後は、私自身の音楽活動と、皆さんの心を一つにする時間でした。 私は、歌うことが好きだから歌います。そして、その結果、皆さんが楽しんでくれたら最高に嬉しい。

アカペラ、ピアノ弾き語り、そして私のオリジナルソングと、次々に披露し、最後は皆さんと一緒に歌う時間で締めくくりました。音楽を通して、想いが共鳴し、会場が温かい笑顔と一体感で満たされた瞬間は、私にとっても忘れられない宝物となりました。

上田商工会議所女性会主催/参加者の皆様と

次回イベントのご案内


次回は9/20(土)!上田市でリアルイベント開催

AI、コーチング、そして音楽。これらのテーマを通じて学び、交流するリアルイベントを上田市内で開催します。

  • 日時: 9月20日(土)15:00〜17:00
  • 場所: 上田市内(参加者の方に詳細をお伝えします)
  • 参加費: 1,000円

講演ではお伝えしきれなかった、より実践的な内容をお話する予定です。 どなたでもお気軽にご参加いただけますので、ぜひお越しください。皆さんと直接お会いできることを楽しみにしています!
申し込みはコチラのフォームから→https://forms.gle/T9EJAyRkE6wL8eUD8

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